ロフトプラスワン「消耗戦2」

1月22日の深夜から、23日の朝にかけてロフトプラスワンで行われた「消耗戦2」に行ってきました。南海キャンディーズの山ちゃん司会で、作家のせきしろさん、「サマータイムマシン・ブルース」などで知られるヨーロッパ企画上田誠さん、ピースの又吉さん、バッファロー吾郎の木村さんという面々が5時間に渡って一つのテーマに沿った大喜利をやり続けるという、演者も観客も消耗し尽くす狂ったイベント。第一回のテーマは「トランプマン」だったようですが、今回のテーマは浜崎あゆみでした。非常に面白くて刺激になるいいイベントだったので、覚えてるところ、メモしたところを中心につらつらとレポートを書いてみます。


オープニングアクト

R藤本さんによるベジータ漫談。このメンツでのイベントでは割と恒例のアクトらしい。あのベジータっぽい喋り方を聞くだけで笑うし、何だか暖かい気持ちになる。めちゃくちゃいい人そう。


出演者入場

始めて生で見る山ちゃんに感動する。GAPで買ったらしいニット姿で、「トヨエツのオフみたいな格好ですいません」。ピース又吉さんを呼び込む時に「心に闇を抱えすぎてる美大生」、上田誠さんの時に「浪人生がもっとも好むざっくり感」と、早くもフレーズファンタジスタぶりを発揮してくれてすっごい興奮する。山ちゃん面白い! バッファロー木村さんのつかみはテレビでもお馴染みの「絶好調!中畑清です!」。その後「本当の幸せ教えてよ! 徳永英明です!」と叫んでいて笑った。木村さんが言うと、どうしようもないことでも笑っちゃう空気になる。


浜崎あゆみ大喜利浜崎あゆみに言葉を足してかっこ悪くしてください」

早速ベーシックな大喜利お題から開始。出演者敬称略で、面白かった解答を書いてみます。


上田「浜崎あゆみふりかけ」
山里「永谷園和田アキ子みたいな絵のタッチでね」

木村「まだ浜崎あゆみが食べてる途中でしょうが!」

上田「浜崎あゆみのだいじょうだぁ」

又吉「浜崎あゆみと同じ誕生日なんだぞ」
山里「ちなみに僕の誕生日はタイタニックが沈んだ日です」

浜崎あゆみ大喜利浜崎あゆみが物凄い剣幕で怒っています。なぜ?」

木村「誰?私のダルマの目にスミを入れたの」
山里「ライブの後に自分が入れようと思ってたんでしょうね。あゆマークがついてるダルマに」

せきしろ文化放送が入らない」

木村「大島渚が紹介の順番間違えて」
山里「まさかその後大島渚を!?」

せきしろスペシャルウィークにゲスト呼ばれて、ハガキコーナー全部カットされた」
山里「ゲストにジャニーズとか呼ばれると最悪なんですよね」

浜崎あゆみ大喜利浜崎あゆみの2020年10大事件第1位とは?」

上田「愛犬が今年も元気」
山里「多分とっぴな名前つけられた犬がいるんでしょうね」

又吉「現役のカズの試合観戦」
山里「カズもう50ぐらいですよ」

ここで一旦大喜利コーナーはおしまい。大喜利の解答もすごい面白いんだけど、山ちゃんの回しの面白さがほんと尋常じゃない。解答の転がし方、毒の吐き方、客席のいじり方、チョイスするフレーズ一つ一つが輝いて見える。バランス感覚や空気を読む力も傑出してる。山ちゃん面白すぎるー。


浜崎あゆみの本棚を考えよう

浜崎あゆみの部屋の本棚に入っていそうな実際の本を考えるコーナー。「ありそう!絶対ある!」、「ねーよ!」、「古今東西懐かしい漫画になってませんか?」みたいな所で面白がる。せきしろさんの「シドニィ・シェルダン『ゲームの達人』」で笑ったけど、この辺りは「本棚にある読まない本あるある」みたいな部分か。最終的に選んだ本をブクログを使って視覚的に見せるというまとめ方。こういうすでにあるツール、話題になってるツールを大喜利的に使うという見せ方は面白い。常に「これ大喜利に使えるかな?」っていう視点を持って、新しいものに接してるんだろうなー。自分も大喜利に使えそうなツールを探してみよう。


浜崎あゆみ第二検索ワード

「検索ちゃん」とかでやってたやつ。インターネットで「浜崎あゆみ」と、指定のキーワードをくっつけた検索をして、検索結果件数がより少ない人の方が勝ちみたいなルール。各人の検索ワードの選び方も面白いけど、検索後の画面を見ながら「こいつ何書いてんだ?」っていう楽しみ方もできるのが凄くいいゲーム。


浜崎あゆみの漫画を考えよう

浜崎あゆみがもし漫画家デビューしたらという設定で、1巻完結漫画の全6章のタイトルを考えるというもの。漫画のタイトルが「あゆちゃん」なので、主人公も浜崎あゆみっぽい存在にしつつ、どういう突飛な展開をさせていくかっていう部分が面白い。個人的にはこのコーナーが一番好みだった。


1章

木村「avex あゆ=魚?」

せきしろ「第一小節 歌を忘れたカナリアは…」

又吉「第一メロディ 狼と歌に育てられた少女」

上田「♯1 あゆが歌えば」


第1章とか、タイトル以前の部分をこねくり回す様子も面白かった。「bvex、cvexと続けようとしたのに!」という木村さんを尻目に、章の区切り方は上田さんの「♯1」、タイトルは又吉さんの「狼と歌に育てられた少女」が採用。


♯2

上田「ほら穴のエコー」

木村「遠吠えのクレッシェンド」

又吉「シマウマの線に音符を」

せきしろ「密猟者とデュエット」

♯1の狼少女的設定を踏まえた解答に。この辺りの展開力はさすが。「6章完結だと早めに文明と合わなきゃいけない」という理由で、せきしろさんのが採用。


♯3

上田「飛行機から落ちてきたマイク」

又吉「ジープで聞いたホイットニー・ヒューストン

木村「(大きいあゆマークを書いて)見たことのない山」

せきしろ「これが歌? 激突スキャット勝負!」

木村さんのあゆマークを山に見立てた解答に爆笑した。バトル漫画路線に行きたいという判断で、せきしろさんのが採用。


♯4

木村「敵か味方か! 鼻の穴のでかい演歌猿(北島三郎)」

又吉「井出方式?」

上田「ヒューマンビートボックス4兄弟の影」

せきしろ「背後から声。『村田だ』」


この辺りから出演者陣がご飯ものを注文しだしたんだけれど、「解答した人から食べていいルール」みたいなのを山ちゃんが作って、いちいち「食べたい!唐揚げが食べたい!」みたいな実況を挟むのが面白かった。木村さんの酷い中傷解答が採用。


♯5

上田「ブチ壊せ! コンピュータールームのボイスチェンジャー

せきしろ「北島さん!それはヘリウムガスです!」

又吉「鼻の穴に吸い込まれたあゆ。そこにメカひばりが」

木村「あゆよ! 北島ファミリーとともに砕け! 違法コピーという名の悪を!」

上田さんのが採用。次が最終話なので、また章の題名をこねくり回す現象が見られる。


最終話

木村「アンコール あゆよ歩め! 未知なる芸能界という名の山を!」

せきしろ「ラストギグ あゆの歌声は子供たちに引き継がれ…」

上田「ラストナンバー アー・ユー・シンギングNOW?」

又吉「ファイナルビッグロックフェスティバル 青山に住めたよ……狼(かあさん)…」

上田さんのが採用。「窓から入ってきた風がカーテンを揺らして、机の上のノートをパラパラめくるみたいなタッチばりの最終回になりそうですね」という妄想が面白かった。章のタイトルは又吉さんの「ファイナルビッグロックフェスティバル」に。この言葉の頭の悪さは面白い。


作者コメント

コミックスの表紙の裏にある著者近影みたいな部分も作りましょうということに。ちょっと長かったので全部覚えてないけど、せきしろさんの「ファンの人からヒートテックもらいました。これオススメ!」にめちゃめちゃ笑った。各章のタイトルと、作者コメントが決まったところで、元から作ってあったコミックス風装丁の画像にタイトルとコメントを差し込んでスクリーンに表示。大喜利の結果が視覚的に提示されると、なんか「おおー」っていう感じがある。1回目のトランプマンの時は12章立てで2時間半ずーっとやってたらしい。そっちも見たかった!



この後も酷さと斬新さが衝撃的だった「浜崎あゆみあみだくじ」とか色々あったんですが、ちょっとテキストでは面白さが表現しづらいのでこの辺に。山ちゃん参加のイベントはもう全部観に行きたいと思えるぐらい、自分の中で南海キャンディーズ山里亮太という存在が大きくなったイベントでした。山ちゃんすげぇよ!