去年マリエンバートで(1961/仏 アラン・レネ) ★★★

去年マリエンバートで
去年マリエンバートで

 お勉強のつもりで見てみるが、まぁはっきり言ってよくわからない。モノクロの耽美な映像と、意味があるようでなさそうな台詞&フラッシュバックがひたすら繰り返されるだけの映画で、観ているとまるで迷宮に入り込んでしまったかのような心細い気持ちになってくる。ただそれが結構不快でなくて意外と気持ちいいのが、おもろい所なんだろう。ストーリーや主張がまるでない退屈な映画と思わせといて、うっかりするともう一回観てしまいそうになる不思議な吸引力。何度見ても「うーん、わからん! わからんけど何か気持ちいい!」という感想を抱きそう。わからないなりに、自分の頭の中で「これはこういうことかなー」とか、勝手な解釈が色々と形作られていく感じも気持ちいい。自分の場合、「この映画の人達は舞台となるホテルに憑りついた幽霊かもしれない」みたいな話がいつの間にか頭の中で作られていた。幽霊が脳の作りだす幻想とするなら、この映画は本当に幽霊みたいな映画だと思う。