2007-01-01から1年間の記事一覧

グローリー

南北戦争で初めて組織された黒人だけの歩兵部隊が、人間の尊厳と奴隷の解放をかけて絶望的な戦いに赴く…という筋だけ読むといい話ではあるけど、実際のノリは邦画でいう「男たちの大和」とか、あの辺のろくすっぽ人間関係や葛藤を描かず、ただバッタバッタと…

カオス

DTSスペシャル・エディション" border="0" /> まぁごく普通の「意外な犯人モノ」犯罪映画。「カオス理論」というのがキーワードとして出てくるけど、観終わってもこの映画の何にカオス理論が適用されていたのか判然としないのがカオス(多分全然関係ない)。目…

ザメッティ

ひょんなことから地下ギャンブル場への入場切符を手に入れた主人公が、大金を賭けたロシアンルーレットに巻き込まれ、生と死の淵に立たされてざわっ…ざわっ…となるグルジア産のカイジ映画。でも主人公に「ああ…!それにしても金が欲しいっ…!」という切実な…

ハンニバル・ライジング

「人喰い」ハンニバル・レクターの神性が消え失せた代わりに、感情移入のできるわかりやすいお話になったという感じ。全編に漂う奇天烈な感じとパチモン臭さがいい味出していて個人的に好きだが、まともにハンニバル・レクターの前日譚を期待していた人は「…

アジア人女優のオスマシ顔

チャン・ジヒョン出演の「アジエンス」CM http://www.youtube.com/watch?v=ZEArosCkGsc チャン・ジヒョンが出ている「アジエンス」のCMを何回も見てしまうのだけれど、何がイイのかというと、一番最後で上を向く直前ぐらいの「オスマシ顔」がたまらなくイイ…

皇国の守護者 5巻

最近「うそーん」と思ったことのベストワンがこの漫画の打ち切り。案の定「どう考えてもここからすげー面白いじゃん!」という所で終わってくれていて悶絶した。これはもう小説を読まざるをえない(それが狙いか!)。

リチャード・ニクソン暗殺を企てた男

好きだなー、こういうしょうもないの。「俺が悪いんじゃない!俺を疎外する社会が悪いんだ!」的思考回路の人が、妻にも見放され、職場ではからかわれ、そういう状況から抜け出そうと投資家から融資を受けて起業しようとするも、大したプランがあるわけじゃ…

ゾディアック

アメリカ初の劇場型犯罪「ゾディアック事件」と、事件に翻弄されるマスメディア・警察・大衆の様子を非常に丹念に再現した映画。ありとあらゆる資料を掘り返したんだろうなぁと思わせるその再現ぶりたるや鬼気迫るほどで、これからは「ゾディアック事件」の…

初秋

私立探偵スペンサーが活躍するハードボイルド作品だが、チンピラを傷めつけたり売春婦を誑かしたり腐った権力者の切った札びらに煙草を押し付けるようなイメージのハードボイルドとは少々趣きが違い(そういうのも好きだけど)、自分のことしか考えていないク…

血みどろの西洋史 狂気の1000年

読み返したりとか絶対しないんだけれど、桐生操的な本をついつい買って読んでしまう性癖がある(一度は行ってみたい所…ローテンブルクの中世犯罪博物館)。中で面白かったのは、昔のフランスの医学では「歯は全ての病の根源である」と考えられていて、歯を全部…

秒速5センチメートル

「ほしのこえ」、「雲の向こう、約束の場所」ではまだ「なあにを言ってやがんだよう!」と斜に構えて見ることも許された感じだったが、新海妄想劇場もこの作品を迎えるに当たってついに一段上の自意識レベルに到達したというか、今作は最早直視することすら…

誘拐犯と人質が立てこもった廃工場で「記憶喪失ガス」(何言ってんだ)が炸裂し、「どっちが犯人がわからなくなっちゃったよ〜!」と右往左往するドタバタコメディ。密室劇かと思ったら外の状況もバンバン説明されるので、あんまり緊張感がない。というか「記…

まれに見るバカ

「毒舌」で鳴らす勢古浩爾の本を初めて読んだけれど、非常にバランス感覚のある人で指摘がいちいち的を得ているので、不快さはなくむしろ痛快。田嶋陽子・佐高信・田中康夫などのろくでもない著名人をメッタメタに罵倒する箇所は読んでいて爆笑する。「毒舌…

靴みがき

友情のすれ違いが生む悲劇。相手のためを思ってしたことが裏目に出たり、ワルとつるむ内にワルに染まったり、人間が「自分」とか「信念」とか思ってるものは、結局他人にどう見られたいかということの上に成り立つもので、そういった意味では「自分」は「他…

スモーキン・エース

マッドマックス三兄弟をはじめ、クセのある面白げなキャラがたくさん出てくるものの、どうも各自特性を活かしきる前に散っていくような印象。ハジけそうでハジけない。殺し屋達が一同に会して「さぁ!ぶっぱなそうぜ!」みたいなシーンがないんだよなぁ。個…

ロッキー・ザ・ファイナル

生きていると、時々自分のやってることなんて何の意味もないんじゃないかと思える時がある。これからやろうと思っていること、やりたいと思うことはある。それなりに幸せかもしれないと思うこともある。しかし、時折どうしようもない息苦しさ、虚しさがこみ…

パッション

キリストさんがひたすらボコられる話。これだけボコられても「汝の敵を愛せ」ってポリシーを貫くんだから、「すげぇな、この人」ってなるのもわかる。全編血みどろの映画だけれど、キリスト教の原点やキリストさんのカリスマ性みたいなものがシンプルに伝わ…

007 カジノロワイヤル

とにかくこの映画は「金玉振り子責め」の一語に尽きるのではないか。悪玉とのポーカー対決が終了しホッと一息といったところでいきなり拉致られ、裸に剥かれて椅子に縛り付けられるボンド。事前に椅子の真ん中はくりぬかれており、そこにぶら下がるボンドの…

あるいは裏切りという名の犬

「ヒート」とか「フェイク」とかと同じようなテイスト。警察組織は基本的に腐敗しており、「いかにもパチーノやデニーロが出てきそうだ!」みたいな。でも主人公とライバルとの因縁があんまり描かれてないからか、全体的に今一つ盛り上がってこない。という…

300(スリーハンドレッド)

特別版(2枚組)" border="1" /> 100万のペルシア軍にたった300人で立ち向かう、レオニダス王と屈強なスパルタ兵の物語。自由と誇りを貫き、死すら栄光として圧倒的に強大な存在に挑みかかり死んでいく彼等の願いはただ一つ、「俺達を忘れるな!」。フランク・…

ディズニーランド&シー

一年ぶりぐらいで行ってきた。 ・タワーオブテラー 特設サイト(http://www.tot1899.com/index.html)の雰囲気が非常に良かったので、さぞ重厚なストーリーが展開されるのであろうと思いきや意外にアッサリ。垂直落下はあまり気持ちのいいもんでもないし、何回…

人生を変える美しい勝ち方

最近は雀鬼・桜井章一の勝負哲学にハマっている。勝負を勝負としてとらえないというか、勝ち負けに我欲を挟まないというか、個人を越えた大きな視点から勝負事を捉える感覚が非情に刺激的だ。 ピシッ!牌をかき混ぜる指の四方八方に、鋭い電流が弾けたな痛み…

プラダを着た悪魔

イメージとは違い、かなり骨太で自己啓発的な映画。最初はファッションにビタイチ関心がなく、それどころか「あの人達って存在しないものに価値を追い求めてるわ」などと斜に見ていた主人公が、ファッション業界に携わる「確かに虚業だけれど、でもアタシ達…

ホステル

旅行って案外出発前や移動してる間が一番盛り上がったりして、いざ現地に着くと「なーんか面倒くせぇ」とかなったりするけれど、この映画も主人公達がセックス旅行に出かけて、脚とか指を切られる前までの過程が一番面白かったかなぁと思った。冒頭の口笛を…

サイレントヒル

二度目。サイレンが響き渡って異界化する時の不安感といい、三角頭が大刀を引きずりながらやってきた時の絶望感といい、美術の完成度の高さといい(病院なんてゲームの舞台そのものだ!)、やはりクリストフ=ガンズのゲームへの愛が素晴らしい。最後は「良心…

クトゥルー神話の本―恐怖作家ラヴクラフトと暗黒の宇宙神話入門

クトゥルー神話の本―恐怖作家ラヴクラフトと暗黒の宇宙神話入門 クトゥルー神話の入門書的な本。冒頭の神話イラスト集がえらいかっこよくてテンションが上がる。クトゥルー神話はほとんど読んでないけれど(「インスマスの影」、「ダンウィッチの怪」ぐらいは…

LOSS

「記憶も言葉も奪われて知らない街に放り出される」というシチュエーションがちょっと面白そうだと思って見てみたけれど全然ダメだこりゃ。そういう絶望的な状況からどうやって逆転するかを期待していたら、記憶をなくしたままただウロウロっとして、同情し…

アイデア・ブック スウェーデン式

15分くらいで読めるうすーい本だけれど(1000円もするのが腹立たしくなるくらいの)、アイデアを生み出すことに対する心構えみたいな部分で、非常に有益な言葉が多く書かれていると思った。例えば「本物のアイデアを得るためには悪いアイデアもたくさん必要だ…

ためしてガッテン暮らしの役立ちワザ事典

何を読んどるんだっちゅう話ですが。でも意外に使える情報が載ってて面白い。みそ汁にヨーグルトを入れたら美味くなるってほんとかしら。赤ちゃんがスーパーのレジ袋をこすると泣き止むとか(母親の胎内音に似てるから)、「へぇー!」って言うしかないわ。ガ…

「狂い」の構造

「狂い」の構造 (扶桑社新書 19)春日 武彦/平山 夢明 世間一般の尺度で見て「えーっ!?」と思う事件について(光市母子殺害事件とか、畠山鈴香とか、ミートホープとか、給食費未納とか)、「何でそうなっちゃうかなぁ」と割合無責任なテンションで放談。下世…