人生を変える美しい勝ち方

人生を変える美しい勝ち方
 最近は雀鬼桜井章一の勝負哲学にハマっている。勝負を勝負としてとらえないというか、勝ち負けに我欲を挟まないというか、個人を越えた大きな視点から勝負事を捉える感覚が非情に刺激的だ。

ピシッ!牌をかき混ぜる指の四方八方に、鋭い電流が弾けたな痛みが走る。その痛さに恐る恐る牌を手元に引き寄せ、ゆっくりと並べ始める。すると今度は一つ一つの牌が、光を乱反射する鏡のようにチラチラと輝きだす。とても目を開けて正視することは出来ない。けれども幸いなことに、牌は見なくても感覚で動かし、回していくことは出来る。「さすがは雀鬼。見なくても打てる」。そんなことを言われてもどうにもしようがなく、ほとんど目を閉じたままで牌を操っていく…。

 まぁ自分がここまでの領域に到達できるとはとても思えないけれど、恐らく全ての達人にとって勝負とは理論よりも感覚なのだろう。誰もが「感覚」の世界まで行けるとは思わないけれど、この本に書かれているような勝負事に臨む際の心構えといったものは凡人にとっても達人にとっても普遍的であると思う。何か遠くにあるものを掴めそうな感じがする一冊。あー、麻雀打ちたい。