プラダを着た悪魔

プラダを着た悪魔 (特別編)
 イメージとは違い、かなり骨太で自己啓発的な映画。最初はファッションにビタイチ関心がなく、それどころか「あの人達って存在しないものに価値を追い求めてるわ」などと斜に見ていた主人公が、ファッション業界に携わる「確かに虚業だけれど、でもアタシ達は死ぬ気でこれやってんのよォォォォ!」的な人々の情熱に触れ、「やってやろうじゃねぇか!」と腹を括る様子は素直に好感が持てる。結局仕事って「やらされている」から、「やってみよう」にならないと面白くならないんだよな。逆に言えば自分が「やってみよう」という気になれば、何にだってやり甲斐は見つけられるはず。人間がそうやって前向きに変化していく様子は見ていて心地いい。

 それにしても主人公の彼氏。彼女がエロ下着をつけてた時はハァハァ言ってがっついてたくせに、主人公が仕事に夢中になった途端、「お前は変わった」みたいな言い草はなんだ! 自分が得するエロい変化はアリで、自分が損する変化はナシみたいな態度とってて恥ずかしくないのか! 最後は和解してたけど、こういう他人が変わろうとするときに「お前には合わないんじゃない?」みたいなこと言って脚引っ張ろうとする奴って信頼できないよ。別れた方がいいよ。この映画に感情移入しすぎだよ。