靴みがき

靴みがき
 友情のすれ違いが生む悲劇。相手のためを思ってしたことが裏目に出たり、ワルとつるむ内にワルに染まったり、人間が「自分」とか「信念」とか思ってるものは、結局他人にどう見られたいかということの上に成り立つもので、そういった意味では「自分」は「他人」の中にしか存在しないのかなぁみたいな詮無いことをグチャグチャ考えた。それだけヴィットリオ・デ・シーカの映画には人間に対する非情な観察眼があるということだろう。ただ非情さで言えば同じ監督の「自転車泥棒」の方が数段上。あの映画は本当に胃が縮んだなぁ。