300(スリーハンドレッド)

300 <スリーハンドレッド> 特別版(2枚組)
 100万のペルシア軍にたった300人で立ち向かう、レオニダス王と屈強なスパルタ兵の物語。自由と誇りを貫き、死すら栄光として圧倒的に強大な存在に挑みかかり死んでいく彼等の願いはただ一つ、「俺達を忘れるな!」。フランク・ミラーが「かっこいい」と思ってるものって、どうしてこうも恥ずかしげがないんだろうか。でもそういうものに理屈抜きで引っ張り込まれてしまう自分もいるわけで、恥ずかしながら相当血沸き肉踊ってしまった。のっけからペルシアの使者を穴に蹴落として「ディス!イズ!スパルタァァ!」とかやられたらなぁ、そりゃテンション上がっちゃうよなぁ(時津風親方もビール瓶で弟子の頭を殴りながら言ったらしい)(嘘)。

 大軍を隘路に誘い込むという戦略はいいして、その隘路がえらくしょぼいのはどうなのか?(他に道あるだろ絶対)とか、アドレナリンが引いてみると色々気になることもあるけれど、観てる間は鮮血と筋肉と破滅の美学に陶然。やっぱり人間は足掻かなきゃ面白くないな、という思いを強くした。「圧倒的な存在に抗う」というパンクなシチュエーションには、話の稚拙さを覆い隠すぐらいのパワーがある。自分も抗っていこう。敵の王クセルクセスの異形っぷりが大変お気に入り。