ヒーロー・ネバー・ダイ ★★★

ヒーロー・ネバー・ダイ〜真心英雄〜
 いいタイトルだなぁ…。反目し合うマフィアの組織それぞれに雇われている殺し屋2人は昔からの友人同士。組織のために私情を捨てて男と男の死闘に赴くも、相討ちとなって両者ともに大怪我を負ってしまう。組のために命を張った殺し屋二人だったが、組長は逆に彼等を疎ましく感じていて、組にとって邪魔な存在となった二人を消しにかかる。仁義をもたない卑劣な組織によって恋人を殺された二人が、今、地獄の底から這いずって復讐にやってくる…! 「這いずって」というのが比喩じゃなく、両脚を失った殺し屋が自作の台車を作って、それを腕だけでガーッと乗りこなして復讐に行くんだから凄い話だ。「殺し屋二人はどういう関係なのか」とか、「組長が何でそこまでして二人を殺すのか」などの部分が説明不足で非常にわかりにくいけれど、恋人を犬のように撃ち殺された不具者が執念だけで復讐に打って出るシーンの迫力は、そんな構成の不明瞭さを補って余りある。そしてそんな復讐者の伝説が、人々の口から口へと伝わり、「ヒーロー・ネバー・ダイ」というタイトルに得心がいくラストシーンが何より素晴らしい! 人口に膾炙することで、肉体は滅してもヒーローの不正を誅する精神は永遠に生き続けるのだ! ヒーロー・ネバー・ダイ!