ドッグ・バイト・ドッグ ★★★

ドッグ・バイト・ドッグ
 ポルノ写真流出で引退したエディソン・チャンと、「ピンポン」の中国人留学生役をやってたサム・リーが、それぞれ殺し屋と刑事に扮して憎しみをぶつけ合うバイオレンス映画。エディソン・チャンの方は、幼い頃から地下闘技場でその日の糧を得るために同じ境遇の仲間を殺してきたカンボジアの孤児で、人を殺すことに何の痛みも抱いていない。サム・リーの方は、実の父親を撃ってしまった体験から自暴自棄になり、上司の命令も聞かず目撃者から情報屋からとにかく誰でもぶん殴る。「ドッグ・バイト・ドッグ」のタイトル通り、二人の男とも「狂犬」と言うにふさわしいタガの外れぶりで面白い(実際二人が格闘するシーンでは「ウー、ワンワン!」みたいな鳴き声が入る!)。


 メインのお話としては、殺し屋の方が逃げる途中で知恵遅れの少女に出会って保護者意識が芽生え、人間らしい心を取り戻すという割かしあま〜いもの。この女の子が、ゴミの埋立地の真ん中にある掘っ立て小屋みたいなとこで、実の親父に犯されまくってるという設定がサディステック! 刑事の追跡を振り切って国外脱出する殺し屋だが、少女との安息の日々も束の間過去のくびきからは逃れられず……うーん、なんかどっかで見た話のような気がするな。どっかっていうか「レオン」。エディソン・チャンサム・リーもあまり強そうには見えず、アクションシーンの迫力に欠けるのがちょっと難点。