それでも生きる子供たちへ ★★★

それでも生きる子供たちへ


 過酷な環境で学校へも行けず、日々の糧だけを目的に働いているような子供たちのドキュメンタリーが見たい(「ゴミ山で働く少女」的な)と思って借りたら、ドキュメンタリーじゃなくて短編オムニバスだった。監督陣にはリドリー・スコットエミール・クストリッツァスパイク・リージョン・ウーなどのビッグネームも名を連ねており中々ゴージャス。帰還兵の父親と母親がそろってヤク中でエイズ感染者、その子供である少女もエイズをうつされ、学校で「エイズ・ベビー」といじめられるスパイク・リー監督作品は重かったなぁ…。自分を取り巻く環境に殉じるしかない子供たち、子供たちのことそっちのけでくだらない争いや享楽に耽る大人の何と多いことか、ということを考える。機会に負けたり、機会を放棄したような人たちが沈んでいくのは仕方ないという一面もあると思うが、機会すら与えられない子供の上に安住の地を築くようなことはあってはいけないのではないだろうか。