イースタン・プロミス ★★★★

　まさかクローネンバーグの行き着く先がヤクザ映画だったとは…。ロシアン・マフィアを演じるヴィゴ・モーテンセンの佇まいがひたすら格好良すぎる作品。くわえ煙草で死体処理するところの男っぷりなんかは本当に最高。殺しのシーンはすべてナイフで、犯罪映画なのに銃がまったく使われないというのも、闇に生きるマフィアの「本気」が際立つ感じで良い。「ノーカントリー」のガスボンベ銃なんかもそうだけど、原始的な仕組みの武器の方がおっかなさとかナマの殺意みたいなのが伝わってくるよなぁと。抜き身の刀身のようなヴィゴの存在感に酔う。