明日、君がいない ★★★ （2006/豪 ムラーリ・Ｋ・タルリ）

　お！ ガス・ヴァン・サントっぽ〜い！ 誰にも言えない青春時代の閉塞感、焦燥感、世界で自分が最も不幸な人間なのだという絶望感がうまい具合に滲み出ていて、「あぁ、学校行きたくねぇなぁ。学校って、ホンマ地獄やで」という気持ちになってくる（行ってないけど）。そういう疑似体験ができるという意味で非常に面白かった。登場人物である自殺寸前ティーンが7人ぐらいいて、彼らの視点が次々と変わりながら物語が展開されるので、常に「次はどんなヘビィな事態が起こるのかなぁ」という緊張感が途切れないのも良い。観終わったあと、自分の目の前に実際に「地獄やで」のサインを出してる人がいたとして、その人に何て声をかけたらいいだろう？ みたいなことを考える。なんかでも、こっちが余裕かましてるとか思われるのも嫌だし、ムツカシイっス！