そして、ひと粒のひかり ★★★ (2003/米 ジョシュア・マーストン)

そして、ひと粒のひかり [DVD]

 コロンビアの貧困生活に飽き飽きした17歳の少女が、麻薬を運んで狙うぞ一発逆転! ブドウを使って麻薬の粒を飲み込む練習をしたり、機内でカプセルがちょっと出ちゃったり、「流さないように浴槽で出せ」と言われたり、元運び屋に相当リサーチしたと思われる生々しい描写が実に興味深い。「妊婦にX線検査はできない」という理由で税関をすり抜け、最後はその子供のためにコロンビアを捨てニューヨークに残る決意をするという流れが美しい。医療費などの面で貧困層に厳しいアメリカの現状を考えると、17歳の言葉もわからないシングルマザーが単身渡米してもどうにもならんではないかと思わないでもないけれど、「子供のために勝負したる!」という決意自体は清々しく、偉大なものだと思う。自分という存在にベットする、その行為ができる人間はそれだけで偉大だ。