東京残酷警察

東京残酷警察 初回限定“GORE EDITION” [DVD]
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kooooool!



近年ここまで悪趣味な映画は中々なかったなと思える、近未来の日本が舞台のスラッシャーアクションムービー。民営化された警察組織「東京警察株式会社」と、「エンジニア」と呼ばれる人体改造された謎の殺人鬼たちの攻防を描く。


セガサターンで「サイバードール」というゲームがあって、そちらもやはり肉体改造されて兵器と人間半々の体になったキャラクターが、荒廃した未来を舞台に血糊や硝煙を撒き散らしながら戦うという最高の作品だったが、「東京残酷警察」にもそのゲームに似た趣を感じる。


甲冑をまとい市民を虐殺する警察官、破壊された部分が武器に変形する謎の怪人「エンジニア」、一滴も血をこぼさずにバラバラに切断された死体、腕を除いた上体と下腹部だけが生かされている「人間椅子」、四肢の代わりに日本刀をつけられ「攻殻機動隊」のような身のこなしで戦う「犬人間」…。


その悪趣味ぶりとアングラぶりにクラクラせずにはいられない世界観の構築がまず見事。この時点で、「露悪的な人体改造好きな人は必見!」と言える。


他には例えば「スターシップ・トゥルーパーズ」にあったような、世界観を説明するためのパロディCMというのが随所に挿入されていて、これも中々面白い。女子高生がはしゃぎながら「リストカットしても痛くなーい!」と叫ぶカッターのCMなどはほんと酷かった。


悪趣味シーンを見せることが先行しているため、ストーリーはブツ切りで、最後まで見てもカタルシスはあまりないのだが、全編に渡って配置された露悪的でタブー感の漂う小物の数々を見ているだけで飽きがこない。気持ちの悪いヴィジュアルイメージを見たい人だけにオススメしたい。


アクションに関しては「片腕マシンガール」の方が断然迫力&アイディアがあったかな…。しいなえいひの、細面で若干トウの立った女性のクールビューティぶりというのも良かったのだが、やはり八代みなせのような、目力のある美少女の活躍というのも欲しかったかもしれない。


★★★