エヴァ破(ネタバレあり)



1回目観た時に「これはもう一回観ることになるなぁ」と思っていたけれど、案の定男ばかり4人が集まって2回目を観に行ってしまった。「エヴァ序」は正直テレビシリーズの総集編みたいな趣が強くて、そこまでそそられなかったのだけれど(「ヤシマ作戦」とかはそれなりにかっこよかったけど)、今回の「エヴァ破」はキャラ萌えの快楽、残虐ファイトの快楽、「グレンラガン」的王道男の子ストーリーの快楽と、色々な快楽がギュウギュウに詰まっていて、真希波マリさん風に言えば、


「気持ちいいから、イイ!」


である。旧作ではあんなにウジウジウジウジしていたシンジ君が、まるで別人のように「オラァ!やったらぁ!」と使徒に立ち向かって行く様子には胸が熱くなる。エヴァがこういう話になって、しかもそれが熱狂的に受け入れられているということは、「他人とつながりたい、でも世界は怖い」みたいなとこでかったるく悩む話よりは、王道でわかりやすいカタルシスがあって、最終的にオタクとDQNの精神が混じり合っちゃうような話の方が時代に求められているのかもしれないなー、なんてことを思った。


ともかく10年前、男の誰もが思っていた「綾波を幸せにしたい」という願いを今回成就させてくれたのは大変喜ばしい。加持さんミサトさんもこのままなら幸せになれそうだ。トウジも大怪我せず、妹が元気になって本当に良かった。真希波さん、カヲル君は次回の展開に注目。アスカは…アスカは……まぁ…多分元気に復活してくれる…はず…。ああ!「Q」が一刻も早く観たい! 2年も待てない!


もったいつけた小物の配置とか(ネブカド…何?)、「世界って美しいのよ!」と強調して言われたりとか、どう考えても説明でしかない台詞をペラペラとまくし立てるリツコさんなど(とにかく登場人物の独り言が多い!)、勘弁して欲しい部分もあることはあるのだけれど、「大好きな女の子を救うために、男一代、神になる」という気持ちい〜いラストが約束されている以上、そういうのは瑣末なことだ。


一番「いいなぁ」と思ったのは、上映後の映画館のざわつき。誰かとエヴァの話をしたくて仕方がない、俺のエヴァの話を聞いてくれ!と、上映終了直後から各地で議論が巻き起こってる感じ。こういうのってやっぱりエヴァ以外では味わえないと思う。まさにエヴァによって中和される、僕等のATフィールド。


終了後は豚串を食べながら、「真希波も恋とかするのか」、「リツコさんにセクハラして軽くいなされたい」、「アスカはお酒が飲めないのに強がって無理して飲んじゃう」などの酷い会話に終始した。「綾波、ビールはどう?あったまるよ」とか言ってるのを店員に聞かれたりしてたら本当に一大事である(多分聞かれてた)。


綾波の家の前で、車を切り返させるゲンドウの真似」は結構流行りそうな気がしている。



★★★★