「1日30分」を続けなさい!人生勝利の勉強法55

「1日30分」を続けなさい!人生勝利の勉強法55
 「テレビを1日2時間見ていると、1年トータルで1ヶ月ぐらいになるので、これから50年同じ生活を続けたとすると4年もテレビに浪費することになる」的な主張を読んで何を思い出すかと言えば、ミヒャエル・エンデ「モモ」の時間泥棒の論調である。時間泥棒は人生とは自らの夢や欲望のためにあくせく働くことであると主張し、人々がいかに無駄な時間を過ごしているかを説いて回る。確かに近頃のテレビ番組はくだらないものが多いのかもしれないが(特にバラエティは)、だからといってテレビを見ている時間全てを「浪費」ととらえてしまって、本当に、本当にいいんだろうか…!そうやって費やされる時間には、本当に一片の価値も見出すことはできないんだろうか…!みたいなことを言うと、「ふーん、じゃあお前はテレビ見てれば?俺はその間にMBAの資格とってエグゼクティヴになるけど。若いうちに引退して好きなことやるけど。人生色々だよね」と、軽くいなされそう。まぁ人間が一つのことを本当に習得しようと思ったら、この本にあるように「いかに勉強時間を捻出するか?」を常に考えて行動するぐらいの覚悟がないといけないと、そういうことだろう。その日暮らしでもギターを弾いてりゃ幸せなんてキリギリスは、元からこの本の読者対象になっていないのだ。効率的な勉強を考える上では非常に有意義な本だが、それが他人のために時間を使うことを厭うような精神を生みそうな気がして、少し恐ろしい。