映画

それでも生きる子供たちへ ★★★

過酷な環境で学校へも行けず、日々の糧だけを目的に働いているような子供たちのドキュメンタリーが見たい(「ゴミ山で働く少女」的な)と思って借りたら、ドキュメンタリーじゃなくて短編オムニバスだった。監督陣にはリドリー・スコット、エミール・クスト…

暗戦 デッド・エンド ★★★

末期ガンで余命一ヵ月と診断された男が、高層ビルに人質をとって立てこもる。「これはゲームだ」と挑発してくる男に導かれるまま捜査をしていく刑事は、やがて男の犯罪に隠された本当の目的に気付いていく。 犯人を追い詰める内に、次第に死を覚悟している犯…

16歳の合衆国 ★★

現代的な「理由なき少年犯罪」。何となく全てが物哀しくやり切れない気持ちになった少年が、恋人の知的障害者の弟を刺し殺し、逮捕された後で「理由なんかないんだ…」と虚ろな目で嘯く話。まぁ実際には「障害者は生きてるだけで可哀想」というとてつもなく身…

悪夢探偵 ★★★★

望まぬ能力を持ってしまった男の話。人の夢の中に入ることのできる特殊な能力を持った男、影沼。だが彼は見えなくていいことまで見えてしまう自分の能力を「不幸だ」と嘆き、厭世感にとらわれ自らの命まで断とうとしている。そんな折、世間では寝ている人間…

Grizzly Man ★★★

人が熊に襲われる時の音声 【閲覧注意!残酷です!】 この音声でグリズリーに襲われているのはティモシー・トレッドウェルと、その恋人エイミー。ティモシーは13年もの間、毎年アラスカにキャンプを張ってグリズリーの生態を研究してきた自然活動家だ。彼の…

ドッグ・バイト・ドッグ ★★★

ポルノ写真流出で引退したエディソン・チャンと、「ピンポン」の中国人留学生役をやってたサム・リーが、それぞれ殺し屋と刑事に扮して憎しみをぶつけ合うバイオレンス映画。エディソン・チャンの方は、幼い頃から地下闘技場でその日の糧を得るために同じ境…

影の車 ★★

不倫をおっぱじめた小心者の男が、「不倫相手の連れ子が、母親を奪った自分を殺そうとしているのでは?」という恐怖を抱きはじめ、終いにはビビりすぎてその子供をギュウギュウ絞めちゃうお話。寝ている子供のすぐ横で、息を殺しながら一戦交えるシーンが実…

ソウ4 ★★

最早サスペンスというより、「どれだけ奇抜で面白い拷問を思いつけるかな!」という逆NHK教育のような状態に。これで拷問の内容がつまらないとちょっと辛いが、「口と目を縫い付けられた人の綱引き」に始まり、「ベリベリ頭の皮剥がし」、「自動達磨製造装置…

疑惑 ★★★★

疑惑 野村芳太郎監督の松本清張原作モノをあまり消化していなかったので、しばらく野村芳太郎祭りを開催することにする。埠頭から海に飛び込んだ車には、前科四犯の札付きの悪女と、その夫である資産家の男が乗っていた。夫は溺死し、女は生き残る。夫には三…

ヒーロー・ネバー・ダイ ★★★

いいタイトルだなぁ…。反目し合うマフィアの組織それぞれに雇われている殺し屋2人は昔からの友人同士。組織のために私情を捨てて男と男の死闘に赴くも、相討ちとなって両者ともに大怪我を負ってしまう。組のために命を張った殺し屋二人だったが、組長は逆に…

死刑台のエレベーター ★★

中々ブログを書くことを習慣化できない…。この映画、30分ぐらい見てからハタと気付いた。「前にも見たことあるわー!」。やってしまった。多分ダルくて早送りで見てしまったので印象に残ってなかったんだろう。愛憎の末殺人を犯した男が、愛人のもとへ逃げる…

香港国際警察 ★★★★

ジャッキー・チェンの映画には、本当に血が通ってる感じがする。「金に魂を売った奴のその後の人生は地獄」とか、「罪を憎んで人を憎まず」とか、「人生は不公平」とか、単純な言葉にしてしまうとするすると抜けていってしまいそうなことも、こうしてジャッ…

レイヤー・ケーキ ★★★

ちょっとやっつけな「ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」という感じ。色んな登場人物が出てくるのはいいけど、出てくる意味のない人が多すぎないか。「ロック…」のスッキリ度を10としたら、これは4ぐらいか…。とにかくみんなで「ファックフ…

特攻大作戦 ★★★

リー・マーヴィン演じる少佐が、悪タレぞろいの死刑囚どもをビッシビッシと鍛え上げ、落下傘で敵の真っ只中に突貫してナチの将校を皆殺しにするという、荒唐無稽過ぎて微笑ましい話。後半、ナチの将校と女共をまとめて地下壕に閉じ込め、手榴弾をあられの如…

ゆれる ★★★

だらしのない弟に代わって法事や実家のガソリンスタンドを切り盛り、クレーマーに因縁をつけられてもニコニコペコペコ、誠実で誰からも慕われる良い人、良い兄貴。でも絶望的にモテないんだ…自分大好きな芸術家肌の弟に、好きな女も寝取られちゃうんだ…。挙…

ルワンダの涙 ★★★★

同じルワンダという国の国民でありながら、少数民族のツチ族80万人が、フツ族の一般民衆の手によって大量虐殺された「ルワンダ紛争」の最中に起こった実話を元にした映画。2500人のツチ族が山刀を振り回すフツ族の民兵に追われ、命からがら国連軍の駐留する…

ブラッド・ダイヤモンド ★★★★

永遠の輝きを放つダイヤモンドは、採掘権を巡って争うアフリカの人達の血で血塗れですよ、というお話。ダイヤの婚約指輪なんかをはめてる人がこの映画を見たら、以後薬指を見るたびに、笑いながら銃を乱射する少年兵の姿が目に浮かんできて、実に心苦しい思…

リーピング

イナゴ少女のCMで話題になったけど、イナゴが出てくるのはちょっとだけ。ある田舎の村で聖書の「十の災い」の箇所に書かれている通りに災いが起き(家畜が死ぬとか、イボができるとか。イナゴはその中の一つ)、ヒラリー・スワンク演じる「全てを科学的に解…

アポカリプト

いやー、最高に面白い。完全にマヤ文明とアステカ文明がごちゃまぜになってるけど(マオリとかも?)、メル・ギブソン的には「ムシャクシャしてやった。とにかく原始人が殺し合う映画なら何でもよかった」という心境だろうし、歴史大作というよりはスケールの…

X-MEN ファイナル・デシジョン

先週2がテレビでやってたのを何となく見てしまったので、「せっかくだから…」という感じでこちらも鑑賞。最新技術を駆使した超能力アクションに、突然変異であるミュータント達の苦悩を織り込んだ映画…と頭ではわかっていても、ふとした瞬間に「このウルヴァ…

変態村

タイトルでこれだけかましてきてるから、一体どんな変態さん達が出てくるのかとワクワクしてしまったが、実際には「まぁ…変態と言えば変態だけど…」ぐらい。田舎の寒村に迷い込んだ旅芸人が、キチガイの村人達に籠の鳥にされ、女装させられたり、カマを掘ら…

グローリー

南北戦争で初めて組織された黒人だけの歩兵部隊が、人間の尊厳と奴隷の解放をかけて絶望的な戦いに赴く…という筋だけ読むといい話ではあるけど、実際のノリは邦画でいう「男たちの大和」とか、あの辺のろくすっぽ人間関係や葛藤を描かず、ただバッタバッタと…

カオス

DTSスペシャル・エディション" border="0" /> まぁごく普通の「意外な犯人モノ」犯罪映画。「カオス理論」というのがキーワードとして出てくるけど、観終わってもこの映画の何にカオス理論が適用されていたのか判然としないのがカオス(多分全然関係ない)。目…

ザメッティ

ひょんなことから地下ギャンブル場への入場切符を手に入れた主人公が、大金を賭けたロシアンルーレットに巻き込まれ、生と死の淵に立たされてざわっ…ざわっ…となるグルジア産のカイジ映画。でも主人公に「ああ…!それにしても金が欲しいっ…!」という切実な…

ハンニバル・ライジング

「人喰い」ハンニバル・レクターの神性が消え失せた代わりに、感情移入のできるわかりやすいお話になったという感じ。全編に漂う奇天烈な感じとパチモン臭さがいい味出していて個人的に好きだが、まともにハンニバル・レクターの前日譚を期待していた人は「…

リチャード・ニクソン暗殺を企てた男

好きだなー、こういうしょうもないの。「俺が悪いんじゃない!俺を疎外する社会が悪いんだ!」的思考回路の人が、妻にも見放され、職場ではからかわれ、そういう状況から抜け出そうと投資家から融資を受けて起業しようとするも、大したプランがあるわけじゃ…

ゾディアック

アメリカ初の劇場型犯罪「ゾディアック事件」と、事件に翻弄されるマスメディア・警察・大衆の様子を非常に丹念に再現した映画。ありとあらゆる資料を掘り返したんだろうなぁと思わせるその再現ぶりたるや鬼気迫るほどで、これからは「ゾディアック事件」の…

秒速5センチメートル

「ほしのこえ」、「雲の向こう、約束の場所」ではまだ「なあにを言ってやがんだよう!」と斜に構えて見ることも許された感じだったが、新海妄想劇場もこの作品を迎えるに当たってついに一段上の自意識レベルに到達したというか、今作は最早直視することすら…

誘拐犯と人質が立てこもった廃工場で「記憶喪失ガス」(何言ってんだ)が炸裂し、「どっちが犯人がわからなくなっちゃったよ〜!」と右往左往するドタバタコメディ。密室劇かと思ったら外の状況もバンバン説明されるので、あんまり緊張感がない。というか「記…

靴みがき

友情のすれ違いが生む悲劇。相手のためを思ってしたことが裏目に出たり、ワルとつるむ内にワルに染まったり、人間が「自分」とか「信念」とか思ってるものは、結局他人にどう見られたいかということの上に成り立つもので、そういった意味では「自分」は「他…